− 夏色模様 −
1日目⇒ バスケ。
今日の練習も一通り終わって……。
少しだけ残って、いっくんと一緒にバスケ。
「ほらっ、まおっ」
「――― うわっ!」
体が後ろに下がって、腕の中にバスケットボールが収まった。
「情けねーな」
――― ムッ。 しょうがないじゃん。
バスケなんてほとんどやらないし、バスケットボールってこんなに重かった?
「あー、男子と女子でボールの重さは違うからな」
ふーん、そうなんだ。 知らなかった。
「俺にパスしてみ? あっ! 床に1回バウンドさせてな」
「うん」
あたしは手からボールを放した。
最初は比較的、いっくんの近くから。
それから徐々に離れていく……。
「うまくなったな」
「本当! やったー」
いっくんに褒められちゃった。
ただ、床にボールをバウンドさせていっくんにパスしているだけなのに。
やっぱり褒められると嬉しい。