− 夏色模様 −
バスケ部は男子ばかり。
女子がいないバスケ部に、まおのような子は危ない……。
「でも、まおちゃんの気持ちを考えたら連れて来たかったんだと」
「ハハッ。 前田くんらしいね」
前田くんはまおには敵わない。
前田くんはまおを中心に回っているんだ。
「さて、俺らはバスに乗るか」
「うん、行く」
後輩たちがぞろぞろとバスに乗り込む列にあたしたちも並び……。 バスに乗り込む。
車内は案外広く、ゆったり座れる。
もちろん、隣には桐谷。
バスに揺られること……。 数時間。
何気なく、後ろを振り向いてみた。
「見てみて、まおたちが寝ているよ」
まおと前田くんはあたしたちの後ろに座っている。
前田くんの肩にもたれるように眠っているまおがいた。
なんだか、まおったら本当に旅行気分だな。