− 夏色模様 −




ちょっ! この変態! 何しているの?

恥ずかしいじゃん。


「いっくん!」


「まお、楽しいか?」


「――― えっ?」


楽しいって……。 この合宿が、楽しいかってこと?


「楽しいよ……。 優ちゃんに色々教えてもらってね、あと、部員のひとたちが荷物を持ってくれたり……。 エヘヘッ、楽しい」


「そっか、よかった」


ギュッと強く抱きしめられた。


もしかして……。 あたしを心配してくれた?

初めての地で、初めてのこと。

不安が無かったわけじゃないけど。


いっくんだって、優ちゃんもいる。

だから、楽しい。



「連れて来てくれて、ありがとう」


「どーもっ」


優しいその腕に、そっと触れてみた。


「汗でベタベター」


「部屋でシャワー浴びるからいいんだよ。 …… 覗くなよ」


「覗きませんッッ!」


あたしは変態じゃなーいっ!




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