− 夏色模様 −
「陽太くんといたの?」
「あー、まあな。 ちょっと聞きたいこともあったから」
「ふーん」
ちょこちょこ部屋に進む。
部屋の作りはあたしの部屋と全く変わらない。
あたしは、テーブルの前に腰を下ろした。
「まお、風呂と歯磨きは済ませたよな?」
「うん」
「じゃー、これ。 はいっ」
「……。 なに、これ?」
いっくんから手渡されたやつ。
それは、よく見たことある。
「問題集?」
「そっ、俺らは“受験生”だからな」
ここまで来て、勉強するの?
そんなのやだー。
この4日間は、勉強を忘れたかったのに……。
「ちげーよっ。 これ、まおにやるっ。 俺が昔使っていたやつ。 優しい問題から、発展問題まであってやりやすはずだから」
「…… ありがとう」
なんだ、勉強させられるのかて思っちゃった。