− 夏色模様 −




でも、どうしてあたしを呼んだの?

問題集を渡すくらいなら、わざわざ今日で無くてもいいと思うんだけど……。


「まおとただ、話したかっただけ」


えっ、そうなの。


胸が激しく鳴る―――。


「~~~ ッッ」


「なんて、言われたらドキドキした?」


「――― なっ!」


あたして、遊んだんだ!

ひっどーいっ。

バカみたいにドキドキしちゃったじゃん。



「まあ、まおと話したかったのはマジ」


「えっ……」


いっくんから真剣な顔をされて、そんなことを言われたら……。

また、心臓が大きく鳴り出す。


「愛川からなにか聞いたか?」


「…… えっ、優ちゃん」


今日は得に何も無かった。

ただ、少し……。 優ちゃんの様子がおかしかったのが気になったけど。

それでも、戻って来てからは普通だった。




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