短編■ 切り札もどき


要するに、ごまかした味さえ、

無邪気に『美味しい』と喜んでくれる辺りが、彼らの素晴らしい無垢さである。

そんな彼ならバレンタインも手作りキットで感動してくれるだろう。






一緒にご飯を食べるなら、『子供みたいで可愛いね』くらいキャピついて言えば完璧である。



きっと彼はあなたに惚れてくれるはずだ。


(ちなみに私は中学時代、付き合った記念日に彼氏の家で料理を作るのが夢だった。

でも実家暮らしなのだから、そんなシュチュエーションとは遭遇しなかった。

…今思えばかなり家庭的アピールの押し付けである)


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