夜獣3-Sleeping Land-
「誰が乗っていいといった?」

「渚の知り合いに電話をかけろ。街中にいるんだろう?」

情報が手に入れられるのは、渚の人徳にかかっている。

「私の質問に答えろ!」

語尾を強めに、迫ってくる。

「いいからかけろ。お前がウダウダして、渚が嬲られ続けてもいいのか?」

「後で決着をつける」

相場は携帯を取り出し、電話をかけ始めた。

「解った」

十分後程度に何かしらの情報を掴めたのか、車を走らせる。

何の説明もする事無く走らせ続け、一つのマンションへと辿り着く。

相場が車から降りると駐車場へと向う。

「この車か」

一つずつ確認して、渚を拉致した車を見つける。

車の中には誰もいない。

マンションの中に移動したか。

「管理人に確認を取る」

相場は走っていく。

僕に待つ気はない。

渚に電話をかける。

数回、コールが鳴り響いた後、通話状態になる。

『何、ヒントでも欲しいの?』

「今から、お前等を殺しに行く」

『はあ?』

「人権があるのは人だけだ。お前等は人ではない。人間の形をしただけの屑だ」
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