夜獣3-Sleeping Land-
「助けてくれ」

男は、後退りする。

「面白い事を言う」

僕は男の距離を縮めていく。

「渚をレイプしたお前は楽しんでいた」

頭を掴み、壁に投げつける。

「狂気に魅せられた人間にブレーキを付ける事は出来ない。何故なら、ブレーキを付けられる場所がないからだ」

人は同じ過ちを繰り返す。

「今のお前は夢であって欲しいと思うだろう。だが、夢であって欲しいと思えば思うほど、現実は迫ってくる。今で言う現実とは」

拳を握り締める。

「お前の死だ」

その時、男は僕の足をナイフで刺そうとする。

しかし、僕は空気の壁を蹴り、弾き飛ばした。

そして、回し蹴りプラス空気爆弾で頭を蹴ると、首の骨が折れ絶命する。

「狂気のままに生きていたければ、力をつけろ。それ以外の道はない」

男は頷く事はなかった。

渚も気力低下のせいか、止める事も出来なかった。

僕は、再び人を殺した。

人を殺す事は正しくはない。

今回のように誰かの恨みを抱き、再び誰かが狙われる可能性がある。

だからといって、僕は止めるつもりはない。

復讐は、終わっていない。

負の連鎖はまだまだ続くだろう。

「渚」

上着を脱いで、渚にかける。
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