夜獣3-Sleeping Land-
伍:「解った」
翌日。
バイトのある僕は、準備を整えていた。
「耕一さん?」
先ほど起きた渚は、寝癖をつけながら起き上がる。
「バイトがある。お前は寝ていろ」
「あの、私も、何かしないと」
「好きにしろ。だが、罠に落ちるような醜態だけは晒すな」
「はい」
悪態をついた僕にも動じず、笑顔になった。
何が、そこまで嬉しいのか。
「いってらっしゃい」
手を振る渚を背に、僕は進もうとした。
しかし、僕は踏みとどまる。
そして、渚に振り返る。
「いや、お前は動くな」
「え?」
「昨日の奴が近所にいるとするのなら、お前は確実に狙われるかさらわれる。いいか?お前が家を出る時は、僕と共に出てもらう」
「前回の事で私も自分の無力さを痛感しています。ですから、あなたの指示には従います」
「ああ」
家にまで来られたとしたら、どうしようもない。
しかし、バイトをさぼってまで、渚の面倒を見ていられない。
八時間だ。
八時間、何も起こらなければいい。
バイトのある僕は、準備を整えていた。
「耕一さん?」
先ほど起きた渚は、寝癖をつけながら起き上がる。
「バイトがある。お前は寝ていろ」
「あの、私も、何かしないと」
「好きにしろ。だが、罠に落ちるような醜態だけは晒すな」
「はい」
悪態をついた僕にも動じず、笑顔になった。
何が、そこまで嬉しいのか。
「いってらっしゃい」
手を振る渚を背に、僕は進もうとした。
しかし、僕は踏みとどまる。
そして、渚に振り返る。
「いや、お前は動くな」
「え?」
「昨日の奴が近所にいるとするのなら、お前は確実に狙われるかさらわれる。いいか?お前が家を出る時は、僕と共に出てもらう」
「前回の事で私も自分の無力さを痛感しています。ですから、あなたの指示には従います」
「ああ」
家にまで来られたとしたら、どうしようもない。
しかし、バイトをさぼってまで、渚の面倒を見ていられない。
八時間だ。
八時間、何も起こらなければいい。