夜獣3-Sleeping Land-
「事実ではそうかもしれません。ですが、私はあなたにとって母親としてしてあげた事は、一つもありません」
「そうか」
「私は偽ってまで、あなたを求めました。もう、あなたの元には、要られません」
背を向け、歩き出す。
「待て」
僕は渚の腕を掴む。
「木の話は嘘か?」
「嘘ではありません。ですが、もう、彼は帰ってきません」
寂しげな瞳で遠くを見ている。
「他に隠している事は?」
「彼があなたの父親であるという事。それだけです」
「解った」
父親の面影が残っていたからこそ、僕に手をつけたというところか。
しかし、僕は腕を放さない。
「耕一さん、あなたに気持ちの悪い思いをさせてしまいましたね」
「お前が母親として何もしてこなかったというのなら、お前は僕の母親ではない」
「そう、ですね」
「だが、お前は雪坂渚でありラヴィヌスだ。そして、僕のパートナーだ。お前が母親でいるというのなら、母親としての行動を取れ。だが、自分自身の信じた行動は見誤るな」
僕にとって、渚という女は利用価値が高い。
逃すわけにはいかない。
それに、渚を今更母親などという存在として見られないし、見る気もない。
「僕にとって、母親などという肩書きなどどうでもいい」
「私は、耕一さんの傍にいてもいいのですか?」
「好きにしろ」
僕は手を離し、男湯のほうへと入っていく。
「そうか」
「私は偽ってまで、あなたを求めました。もう、あなたの元には、要られません」
背を向け、歩き出す。
「待て」
僕は渚の腕を掴む。
「木の話は嘘か?」
「嘘ではありません。ですが、もう、彼は帰ってきません」
寂しげな瞳で遠くを見ている。
「他に隠している事は?」
「彼があなたの父親であるという事。それだけです」
「解った」
父親の面影が残っていたからこそ、僕に手をつけたというところか。
しかし、僕は腕を放さない。
「耕一さん、あなたに気持ちの悪い思いをさせてしまいましたね」
「お前が母親として何もしてこなかったというのなら、お前は僕の母親ではない」
「そう、ですね」
「だが、お前は雪坂渚でありラヴィヌスだ。そして、僕のパートナーだ。お前が母親でいるというのなら、母親としての行動を取れ。だが、自分自身の信じた行動は見誤るな」
僕にとって、渚という女は利用価値が高い。
逃すわけにはいかない。
それに、渚を今更母親などという存在として見られないし、見る気もない。
「僕にとって、母親などという肩書きなどどうでもいい」
「私は、耕一さんの傍にいてもいいのですか?」
「好きにしろ」
僕は手を離し、男湯のほうへと入っていく。