夜獣3-Sleeping Land-
「お前がどうしようが僕の目的は変わらない」

「そう、ですか」

「だが、僕はお前を必要としているのも事実だ」

「本当ですか?」

「ふん、好きにしろ」

「はい」

考えた素振りを見せず、笑顔で僕を見ていた。

例え嘘の笑顔だとしても、僕の闇には眩しすぎる。

だが、悪くはない。

そう思えるのも、時間が経ったからだろうか。

「デザイアが来た理由が解るか?」

「今になってという事ですから、何かしらの問題が起きたのかもしれません」

「問題か」

何故、今なのか。

起きたとすれば、別の星か、宇宙。

地球に問題を持ち込んできた。

「しかし、今まで音沙汰なしですから、今度は失敗のない調査を行うためなのかもしれません」

「不思議に思うのが、お前等は何故一人で調査に来る?他の奴等はどうした?」

「長い期間の宇宙飛行の場合、私の場合は一人用しか作られていなかったんです。今の飛行船がどうなっているのかは、解りません」

「一人ではないかもしれないか」

「はい」

「ふん、それならそれで面白い」

僕は拳を握る。

倒す相手が増えるというだけだ。

経験を積む。

それで、僕は強くなる。

「必ず、倒す」

問題を日本に持ってこようが、強さの糧にするだけだ。
< 69 / 118 >

この作品をシェア

pagetop