夜獣3-Sleeping Land-
僕は家路に着く。

途中で山女と知らない女に出会った。

知らない女は白のジャージ姿で瓶底眼鏡をかけている。

「あら、品性下劣な耕一さんじゃありませんこと」

僕は無視をして、歩いていく。

「シカト、こいてんじゃねえよ」

女が片手を掲げると、僕の眼前で発火する。

出てきたのと同時に、僕はサイドステップで回避する。

「面白い」

拳を握りしめた。

能力者だとすれば、女だろうが関係ない。

「怜さん、それでは耕一さんと変わりませんわよ」

「でもよお、気にいらねえよ」

「あなたはとても強いんです。細かい事は気にしません事よ」

相手にやる気がなかろうが、僕の獣を呼び覚ました。

前回から、不完全な形でしか動いていない。

今動けと、体の中の獣が叫んでいる。

僕は地を蹴り、突進する。

「馴れ合うつもりなど最初から、ない」

開眼させ、周囲にある白い空気を見る。

「危険ですわ」

「こっちとしては好都合」

ジャージ女は再び手を向け、僕の体を発火させる。

体が燃え盛り火傷を負うも、突き進む。

「な、に」

「この程度の火傷など、とるにたらない」

痛みに苦しんでいる暇があるのならば、相手を叩き潰す。
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