夜獣3-Sleeping Land-
無理矢理すらも、難しい状態か。

だとしたら、今あるものを使うしか道はない。

今までに使った技を、思い出せ。

一般的な空気爆弾。

相手の肉の壁を通り越した内臓破壊。

遠距離まで届く連爆弾。

体を動かす事は出来ない。

尚且つ能力を使わなくてはならない。

組み合わせる事は、出来ないか?

王の表面は固い。

ならば、内臓はどうだ?

固いにしても、ダメージを与えられない事はない。

遠距離で内臓を破壊する方法。

王も酸素を吸っている。

ならば、王の中にも、酸素はあるという事。

酸素があるという事は、白い空気が内部に存在しているという事。

腕は動く。

指も動く。

拳でしか、空気を操作する事が出来ないわけではない。

首を上げて、王を見る。

「三秒、あいつを、止めろ」

「三秒、無茶言うわ」

「やれ」

「はい」

背後に立っていたのは、弓を構えた渚だ。

「渚さん」

「耕一さん、必ず、止めます」

渚は、狙いを定める。
< 82 / 118 >

この作品をシェア

pagetop