夜獣3-Sleeping Land-
渚の後に付いて、歩いた先にはデザート専門店が建っていた。

パフェ、ケーキ、クレープ、揃いも揃って、男が寄り付かない店だ。

見たところ、女達の姿がほとんどか。

中には男もいるが、女の連れだろう。

「ここか?」

「はい、興味がありまして」

「よく来るのか?」

「このお店は、今日が初めてですよ」

「そうか。なら、さっさと買って来い」

「それが」

少し、言いづらそうにしている。

「何だ?」

「パフェが、食べたくてですね」

「持って帰られないのなら店で食えばいいだろう。僕は外の様子を見ておく」

「そう、ですね」

何か言いたげな渚は一人で店の中へと入って行こうとする。

「何か言いたいのなら、言え」

渚の腕を掴んで、引き止めた。

「でも、耕一さんにはやる事がありますし」

「言え」

「なら、耕一さんも、ご一緒してくれませんか?」

「解った」

今度は、僕が先に店の中へと入っていく。

中には、女子高生や主婦の姿が多く見られる。

店内は最近出来たような新しさを見せており、席は空いているようだ。
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