君のいない理由
君のいない理由
 街の光が美しく見える丘。そこに、猫が住んでいる。

 猫は2匹いて、一方はしま猫。もう一方はぶち猫で、2匹はいつも一緒にいた。

 あたたかいお昼時にはしま猫が「あー」と鳴く。そして、ぶち猫があとに続いて「うー」と鳴くのだ。

 雨の日は丘にある大きな木の下で一緒に体を丸め、やさしい雨の音楽を聴くために耳をそばだてた。

 街へ出るときに必ず行くのは、とある一人暮らしのおばあさんの家と、市場。
 魚は盗まずに、いつもかわいがってくれる魚屋さんに行って「あー」「うー」と鳴く。
 そうしたら新鮮な魚をくれるのだ。
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