腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
「で、選んだ理由が知りたいんだったね」
「はい。……まさか、たまたま目に付いたからとか言いませんよね?」
「言わない言わない。これでも沢山の人たちの中から厳選したんだよ?そしたら、君が一番条件にピッタリだったんだ」
「条件?」
うんそう、と言って泉流はピッと人差し指を立てる。
「まずはその、十人並みの冴えない容姿」
「じゅ、じゅう!?」
「あと、ティッシュ渡しが揃ってスルーしてしまう程の存在感の無さ」
「空気に溶け込んでるって言って貰えます!?」
「更には、底無しのお人好し馬鹿なところとか。そういえばこの間も、カツアゲされてる中学生を助けようとして一緒にカモられてたよね君?」
「一緒にじゃありません!最初から罠だったんです!今度会ったら覚えとけよあのクソ餓鬼ども…っ。………て、なんで知ってんですか!?」
「だ~か~ら~、観察してたんだってば。どんな場所にもすぐに溶け込んで誰にも気づかせないその資質、君ほど最適な駒使いは中々いないよ」
「助手、下僕、最後には駒使いと来ましたか。わたしの人権をいったい何だと思ってるんですかあなたは」
ハァ…と、純は諦めにも似た気持ちで溜め息を吐いた。もうどうとでも言ってくれ。
「はい。……まさか、たまたま目に付いたからとか言いませんよね?」
「言わない言わない。これでも沢山の人たちの中から厳選したんだよ?そしたら、君が一番条件にピッタリだったんだ」
「条件?」
うんそう、と言って泉流はピッと人差し指を立てる。
「まずはその、十人並みの冴えない容姿」
「じゅ、じゅう!?」
「あと、ティッシュ渡しが揃ってスルーしてしまう程の存在感の無さ」
「空気に溶け込んでるって言って貰えます!?」
「更には、底無しのお人好し馬鹿なところとか。そういえばこの間も、カツアゲされてる中学生を助けようとして一緒にカモられてたよね君?」
「一緒にじゃありません!最初から罠だったんです!今度会ったら覚えとけよあのクソ餓鬼ども…っ。………て、なんで知ってんですか!?」
「だ~か~ら~、観察してたんだってば。どんな場所にもすぐに溶け込んで誰にも気づかせないその資質、君ほど最適な駒使いは中々いないよ」
「助手、下僕、最後には駒使いと来ましたか。わたしの人権をいったい何だと思ってるんですかあなたは」
ハァ…と、純は諦めにも似た気持ちで溜め息を吐いた。もうどうとでも言ってくれ。