腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
「ああ、もうこんな時間か」


窓の外の空が赤く染まってきた頃、泉流は己の腕時計を見て呟く。そろそろ別れの時間が迫っていた。


「じゃあさ、最低1ヶ月付き合ってよ。1ヶ月経っても乗り気じゃなければ僕も諦めるから」


彼にとっては最大限の譲歩だろう。しかし、純はそれでも返事を渋った。1ヶ月間も耐えられる自信がないようだ。


「………嫌だと言ったら?」

「うん?別に構わないよ。ただその時は……」





『一生しつこく付きまとってあげるから』





そう満面の笑みで告げられた死刑宣告のような内容に、純は即座に首を縦に振って了承したのだった。














~人はそれを脅しという~

















「ところで天宮さん」
「ああようやく僕の名前を呼んでくれたね」
「そうでしたっけ?」
「そうでしたよ」
「まぁそんなことより、あなたって歳いくつなんですか?」
「26」
「26ぅぅう!?」
「………なにさ」
「あ、や、わたしより1、2才だけ歳上かと」
「童顔で悪かったね」




⇒アトガキ
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