くるきら万華鏡
 私の悪口は出てこなかったのだと知り安堵するも、彼は私とぶつかる直前、私を避けようとせず、それどころか、両手を広げて待ち構えていたと、目撃者は可笑しそうに笑いながら語った。


 あの時聞こえた男子の『クスクス』はそのせいだと悟った。


 有坂くんは、根っからの『エンターティナー』だったのです。


 いつも周りを笑わすことだけに尽力する、まるでそれが彼の生き甲斐かのように。






 私はそんな有坂くんに、どうしようもなく惹かれました。







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