くるきら万華鏡


 放課後、気付くと私は、皆人くんの家の前に立っていた。


 でも、インターフォンを押しても、誰も出て来ない。


 帰るに帰れず、しばらくそのまま立ち尽くしていると、


「多恵ちゃん。」


 背後から呼ばれ、振り向くとそこに、不思議そうに私を見る皆人くんが立っていた。


「あ、あのー、えっと私…」


 声が震えているのが自分でもわかる。


 そして、みるみる視界も滲んだ。


 皆人くんは、少し困ったように苦笑すると、


「とにかく、入れよ。何もしないから。」


 そう言って、私の腕を掴んで玄関へと導いた。




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