くるきら万華鏡
「これからはもっと、自分のこと大事にする。


 多恵ちゃんの分まで大事にするから…」


 そう言って皆人くんは、私を抱く腕にさらに力を込めた。


「もう心配すんな。心配しなくていい…」


 その一言が、私と皆人くんの間に大きな隔たりを生みました。


 もう想うことすら許されないのですか?


 私の気持ちに応えてくれなくてもいいのに。


 愛してくれなくてもいいのに。


 ただあなたを、好きでいたいだけなのに。


 皆人くんの胸で思いっきり泣きながら、私の心は叫んでいた。







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