くるきら万華鏡
有坂くんは、そのままこちらへ歩いて来て、
「多恵ちゃん、おはよう。」
と、私の方は見ることなく、代わりに名前を読んで挨拶をし、自分の席に腰を落とした。
「おはよう。」
私もどうしても有坂くんのことを見ることができなくて、うつむいたまま挨拶を返した。
その日も、授業中ずっと、有坂くんは寝ていた。
『あんなことがあった昨日も、あなたは夜遊びですか?』
一日中向けられている後頭部に、私は心の中で問いかける。
お互い何だか気まずくて、その日は一言も会話を交わすことなく放課後を迎えた。
「多恵ちゃん、おはよう。」
と、私の方は見ることなく、代わりに名前を読んで挨拶をし、自分の席に腰を落とした。
「おはよう。」
私もどうしても有坂くんのことを見ることができなくて、うつむいたまま挨拶を返した。
その日も、授業中ずっと、有坂くんは寝ていた。
『あんなことがあった昨日も、あなたは夜遊びですか?』
一日中向けられている後頭部に、私は心の中で問いかける。
お互い何だか気まずくて、その日は一言も会話を交わすことなく放課後を迎えた。