くるきら万華鏡
 走りながら振り返り、有坂くんは口に人差し指をあてて、


「しぃー、多恵ちゃん、はしたない。」


 と言うと、また可笑しそうに笑った。


 からかい半分で注意され、思わず赤面。


 でもこれで、仲直り!? 別に喧嘩した訳じゃないけど…


 それでも、なんだかとても嬉しくて、私の心は、澄み渡ったような爽やかな心地よさで満たされた。


 有坂くんは、渡り廊下まで来ると、力尽きたのか走るのを止めて歩き出した。


 多分、持久力は私の方が勝っている。


 有坂くんは、時々煙草の匂いがする。


 どこで吸っているのか、いつ吸っているのかは知らないけど、吸ってるとこ見たことないけど、スモーカーであることは確実だった。


 すぐに有坂くんに追いついて、並んで歩いた。


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