くるきら万華鏡
「誉めてないし。」


 わざと怒った顔を作り、再び歩き出して有坂くんを追い抜いた。


 有坂くんも私につられるように再び歩き出し、背の高い有坂くんは、すぐに私と並んだ。


「…で? 何? 怒らないから、言いなさい。」


 今度は何故か先生口調の命令形。


「もう怒ってるじゃん。」


 怒ってないってわかってて、そう言ってごまかした。


 そしたら…


 有坂くんは私の前に回りこみ、行く手を阻むように、立ち塞がった。


「何か… 思ってることあんなら、ちゃんと言えよ。そういうの、すっげー俺、気になるんだからな。」




 あなたは… どうしてそんなにいつも、真っ直ぐなのでしょうか…?




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