くるきら万華鏡
「多恵、ごめんね。」
校門を出たところで、奈緒がようやく沈黙を破った。
「ううん、私こそ、奈緒が辛い時に話聞いてあげられなくて… 本当にごめん。」
そして、奈緒と二人で顔を見合わせたら、自然に笑みがこぼれた。
「それにしても… 多恵の最後のアレ、すっきりしたぁ。」
嬉しそうに奈緒が言う。
奈緒が元気になるのなら、私は何だって言っちゃいます。
『皆人、ウザイ!』『皆人、ふざけんな!』『皆人、豆腐の角に頭ぶつけろ!』『皆人、諸井にしつこく付き纏われろ!』などなど、思いつく限り全部…
「今日は金曜だし、久々に飲み行きますか。」
何気なく誘ってみる。
「行っちゃいますかぁ。」
奈緒も悪戯っぽく笑って同意した。