くるきら万華鏡


 私たちは、一旦帰宅し、着替えてから再び待ち合わせた。


 待ち合わせ場所は、イケメン店員が多いってことで、女性に人気の居酒屋の前。


 『一回行ってみたかったんだよね。』って、言い出したのは奈緒だった。


 奈緒の心の病は回復に向かっているようです。


 二人とも、ちょっとだけお洒落して、ほんのりメイクも身だしなみ程度にしてきました。


 店内に入ると、たくさんの女性客で溢れかえっていて、その賑やかさに二人して圧倒されてしまった。


 入り口を入った所で、二人して呆然と立ち尽くしていると、


「高校生のご入店は、お断りしております。」


 頭のすぐ上から声がした。


「私たち、高校生じゃ…」


 そう、言い訳しながら声の主を見上げる。


「げっ、皆人。」


 無意識に口から言葉がこぼれた。


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