くるきら万華鏡
「『げっ』じゃねーよ。高校生のくせに夜遊びしやがって。帰れ! お家でおりこうにしてなさい!」


 シッシッと右手を振り、皆人くんはここぞとばかりに猛反撃。


 私はムッとして、


「イケメン店員って、『コレ』のことですかぁ? なぁんだ、がっかりだし! 頼まれたって、ここでは飲まないから! 行こ、奈緒。」


 皆人くんを指差しながら、聞こえよがしそう言い捨て、奈緒の腕を掴んで踵を返した。


「待て待て待て!」


 別の店員が、そう叫びながら弾丸のように飛んできた。


「バカか、何やってんだよ!? 」


 彼は、顔は皆人くんに向けてそう言いながら、両手は私たちの腕をつかんで引きとめた。


「「丸山くん…」」


 私と奈緒が二人して振り返り、心優しい店員さんを見て、彼の名を同時に口にした。



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