くるきら万華鏡
「あっちのお兄さんにしか、注文言わない。」


 一つテーブルを挟んだ向こうのテーブルで、皆人くんと同じようにオーダーを受けている、茶髪を無造作に遊ばせた、ジャニーズ系の店員を指差して言い張った。


「彼は忙しいんです。どんなに待っても来ねーよ。」


 皆人くんは、意地悪く微笑んだ。


「じゃぁ、私、取り敢えず生。」


 奈緒が呆気なく裏切った。


「そちらのお客さんは? 水持ってきます?」


 皆人くんが、勝ち誇った顔で言う。


 仕方なく私も生を注文した。




 酔いました。


 グデグデに酔ってしまいました。


 丸山くんが、注文した餅とチーズのグラタンを持って来てくれたところまでは、記憶があるのだけど…


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