くるきら万華鏡
甘い逆襲


 酷い頭痛で目が覚めた。


 両腕に力をこめ、何とか上体を持ち上げ、痛む頭を抱えながら周囲を見回す。


 見知らぬ部屋の、見知らぬベッドの上。


 そして…


 煙たい…


 テレビのコーナーボードにもたれるようにして胡坐をかいて座り、くわえ煙草で小型のポータブルゲームを夢中でやっている皆人くんがいた。


 何が起こったのでしょう?


 昨日、皆人くんの、どこぞのOLとのメアド交換を邪魔して…


その後の記憶が全くない。


 ベッドから身を乗り出すようにして、傍らに転がっている自分の鞄に手を伸ばす。


 もう少し…


 いつの間にか、皆人くんがそこに居て、私の鞄を拾って渡してくれた。


< 78 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop