くるきら万華鏡
「ありがと。」


 反射的にお礼を言い、


「じゃなくてー! なんで私、ここにいるの?」


 思わず声を荒げて皆人くんに問う。


「なんも覚えてねーのかよ!?」


 呆れたように冷ややかに私を見下ろし、皆人くんは言った。


 私が返す言葉もなくうつむいていると、皆人くんは、ドスンとその場に勢い良く腰を落とし、ベッドの上に正座している私を見上げた。


「あのさ、マルと奈緒が、俺に多恵ちゃん押し付けてとっとと帰ったんだよ。そして、多恵ちゃんは、へべれけに酔ってて、俺に自宅を教えてくれなかった。だから仕方なく俺んちに連れてきた。」


「みんな、酷い。」


 思わず涙ぐんだ。


「多恵ちゃんの酔いどれぶりも酷かった。」


 皆人くんは、困った顔をしつつも、チクリと指摘した。


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