くるきら万華鏡
『ごめん…』


「謝らないでよ! なんか腹立つけど、別に奈緒は悪くないし。」


 もう喧嘩はゴメンだから、イラつきながらもそう言った。


『多恵は? 皆人くんに家まで送ってもらったんでしょ? 無事帰れた?』


「今私…


 皆人の家にいるんですけど…」


『良かっ…』「良くない!!」


 この期に及んで、奈緒が無神経に感嘆の声をあげようとするから、私は慌ててそれを制す。


「もう、奈緒、私怒ってるんだからね。友達はやめないけど… でも、すごく怒ってますから!
それに皆人くんの気持ちを考えたらそんなこと…」


 そこまで言って、すぐ傍に皆人くんがいることを思い出し、私は黙り込んでしまった。



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