くるきら万華鏡
「ミナト、何やってる!」
私と皆人くんは、尋常でないほど驚いて、ベッドの上で飛び跳ねるようにして、慌てて距離をとった。
女性とわかるが、太い、迫力ある声だった。
声がしたほうを見ると、部屋の入り口の戸が開いており、そこには、くるくる巻かれた銀髪を無造作に後ろで一つに纏め、Gパンにチェックのボタンシャツ、その上に花柄の可愛らしいエプロンを付けた、スタイルのいい、西洋系の熟女が立っていた。
その表情は、呆れているような、怒っているような…
「ワタシ買い物行ってくるから。」
外人訛りの日本語で、彼女は一言だけ残し、さっさと部屋を後にした。
「俺、何やってんの?」
皆人くんはそう言って、ベッド端に座ったまま、両手で頭をかかえてうずくまる。