くるきら万華鏡
 中へ入ると、すぐ目の前がダイニングとカウンターキッチン。


 窓際へと視線を走らせると、リビングと繋がっており、ソファーには皆人くんより少し年上の男の人がゆったりと腰掛け、その男の人は、手にした新聞から、視線をこちらに向けた。


 何て美しい人なのでしょう…


 まさか、皆人くんと同じ両親から生まれたなんて言わないよね? 有り得ないよね?


 皆人くんと違って、本格的なハーフ顔、その整った微笑は甘く、幻想的で、そしてさらに、男らしい逞しささえ醸し出している。


 完璧だ。


 皆人くんは貰われてきた子に違いない。


 もう一人男の子が欲しかったけど、何らかのやんごとなき理由によりそれが叶わなくて、とか。


 その美しい人は、私を見ると薄っすら笑い、


「こんな純真無垢な子が、皆人の毒牙にかかるとは… 悲劇だな。」


 皆人くんをからかうように言った。


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