くるきら万華鏡
「はは~ん、多恵ちゃんも兄貴に惚れたな。」


 『多恵ちゃんも』… 『も』?


 こんなことは日常茶飯事ですか? 可哀想な皆人くん。


「やめとけ、やめとけ! 火傷するぞ。」


 皆人くんは、お兄さんにからかわれた鬱憤を私で晴らそうとしている。


 ちっちゃい男です。


「焼け死んでもいいです。」


 気付くと私、そんな言葉を口走っていた。


 だってそれは、このような男性を目の前にしたら、女として生まれたならば誰もが口にするであろう、当然の言葉のような気がして…


 この時の私は、あまりにぶしつけだとか、恥ずかしいとか、そんな脳の理性分野までは全く思考が及ばなかった。


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