夢幻(むげん)【完結】
夢幻(むげん)−遼平編−
遼平は、驚き目を見開いている。
目の前で起こった事が信じられない。
信じたくなかった。
何故、こんなことに……?
「遥? ウソだろ?」
遼平は、遥の顔を恐る恐る触る。
「寝てるだけだよな? そのうち、いつもの様に目を覚ましてくれるだろう?」
顔をなでつつ言う。
だが、それに答えてくれる人はいない。
「そうだよな、遥。こんなに温かいもんな……」