夢幻(むげん)【完結】

「あれは……?」

『これは遼平だよ。私を裏切らない私だけの遼平』


 そんな声があたり一面に響く。

 遥がこちらを見ていた。


「……お……れ?」

『そうよ。私が創ったのよ』


 そういうと、遥は創りだした幻影の“遼平”にキスをする。


「っ! それは俺じゃない! 遥、俺はお前を裏切った事はない!」


 遥は遼平を睨む。


『ウソ! 私、見たんだから!』

「あれは、いきなりの事で避けられなかっただけだ! 俺には遥お前しかいない!」

『……』


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