夢幻(むげん)【完結】
二日前くらいのこと、学校の帰り道、たまたま一緒になった遼平が、遥に聞いた。
「遥、今週の土曜、空いてるか?」
「んとね……空いてるよ?」
予定を思い出し、遥は答えた。
「よかった。じゃあ、土曜、家に来ない?」
えっ?
遼平の家……へ?
「遼平の家……?」
「そう。久しぶりの休みだし、その日、家に誰もいないし、ゆっくりしよう?」
遼平は、遥の顔を覗き込みながら、少し甘くハスキーな声で囁いた。