舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
カズさんとイワンさんの着替えが終わり、第一幕からの通し稽古が始まった。


くらら、てっちゃんともに難なく演技をして、イワンさんは特に何も言わずにそれを見ていた。


そして第二幕の稽古が始まり、王子が金平糖の精にクララを紹介する場面、それから金平糖の精の踊りが始まった。


幻想的なチェレスタの音に合わせ、いつも通り私は踊った。


「ストップ」


パンッと手を叩いたのはイワンさん。


稽古が始まって初めて音楽を止めさせた。


「今のところもう一回」


レッスン場にいたすべての人が息を飲むのがわかった。


「はい!」


私は言われた通りもう一度踊り直した。


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