舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
怜音と病院を出て携帯を確認すると、てっちゃんからの着信がびっしりと詰まっていた。



きっと、昨日のこと心配してくれてる。


今日も、レッスンあるけど、なんだか行きたくないな…


こんなこと思ったのは初めてだ。


いくらレッスンがきつくても、レッスンに行きたくないと思ったことはなかったのに。


「一度、お前のバレエを見てみたいな」


「え…?」


「俺素人だからよくわからないけど、見てみたい」


怜音にそう言われて、私は思い返した。


今まで、それほど厳しい指導も受けてこなかった私にとって、昨日のイワンの私に対する言動はかなりのダメージだった。



だけどそれを乗り越えなくては本物のバレリーナにはなれない。


昨日私だけが指導されたのにも何か意味がある。


その意味を見つけなくちゃ。

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