舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「…今度、公演があるの」


「そうか。それで今頑張ってるんだ?」



怜音はそう言って微笑み、私の頭にぽんぽんと手を乗せた。


私は何も言わずにうなずいた。


怜音は、ああ言ったけど、やっぱり私は、応援してくれる人のためにも頑張りたい。


私のバレエを見てもらいたい…!


「どうせ俺が止めても、今日レッスン行くんだろ?」


「…うん、行く」


「まぁ、お前らしいっていうかなんていうか。ストイックだな」


「バレエが好きなだけ」


「そうか。それが一番大事だな」


2人でタクシーに乗り、怜音は私のアパートの場所を告げた。



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