舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「君のポワントはすごく美しい。このまれに見る足の甲のアーチ。日ごろの努力だけでは身につけられない天性のものを持っている」



「あ、ありがとうございます」



「だから昨日、上半身の動きがすごく気になった。表現力をもっと磨くこと。それから、バレエ以外にも目を向けること。頭でっかちになってはいけない」



「は、はい!」



私、もしかして、少し踏み出した?


こうして指導してもらえることは、とても光栄なこと。


しかもほめてももらえた。


「イワン、奈々に何か言うことあるんじゃなかったっけ?」


「ああ、そうだった」


そう言ってイワンさんは自分の持ってきたバッグの中から封筒を取り出し、私に手渡した。


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