舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「…奈々」


急に声をかけられて、からだをこわばらせた私はゆっくりと振り返った。


「何してんの?」


やわらかく微笑みながら私に近づく怜音。


さっきとは変わって、いつも通りの怜音に戻ったみたいだった。


「外、見てた。結構高いね」


「そうなんだよな。俺、ここに住んでから自分が高所恐怖症だって知った」


「ふふ…そうなんだ」


怜音の発言に笑っていると、不意に髪を撫でられて顔を上げた。


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