舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「これくらいいいだろ?」


「え?」


「はい、頭上げて」


言われるままにそうすると、首の下に腕が滑り込んできて、その腕で肩をぐっと引き寄せ
られた。


怜音の肩ぐらいに私は頭を乗せていて、すぐそこに怜音の顔がある。


「やべー、奈々超ドキドキしてるよ」


「…してない」


「…じゃあ、ドキドキさせてやるよ」


「え…」


ぐるりと体が回転して、私は仰向け、怜音が私の上になっていて両肘を私の顔の横についた。


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