舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「超おいしい…このオムレツの作り方教えて」


「いいよ。今日、厨房で作るか」


「うん!」


私がそう言うと、怜音はまた微笑んだ。


それから、フォークを置いて、私の方にからだを向けた。


「奈々」


「ん?」


いまだオムレツを頬張っていた私は、視線だけ怜音に向けて返事をした。


すると怜音が私のスツールを自分の方に回転させ、対面する形になりお互いの膝がぶつかっていた。


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