舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
『怜音です。また、連絡します』



短いメッセージ。


さっきの着信は怜音だったんだ。


私はあわてて着信履歴からさっきの番号を出し、発信ボタンを押した。



『もしもし』


「ごめんなさい、知らない番号だったから…奈々です」


『いいよ。ごめん、書類に書いてた番号みて掛けた。今日、レッスンは?』


「今日はお休みです。基本月曜日はお休みなんです」



『そうか。じゃあ、今日時間ある?』


「え?あ、はい。大丈夫です」


私がそう返事をすると、店のある駅まで来てほしいと言い、怜音は電話を切った。


何これ…


もしかしてデート?


…いや、ホストだから、同伴?


いやいや!同伴って、私一応WINGのスタッフだし!


しかも同伴って女の人の方から誘うものだよね?


よく知らないけど!


何考えてんだ、私。


きっと仕事の話だ。


あわてて準備をして、電車に飛び乗り、WINGのある駅まで急いだ。



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