舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「そっか。なんだかんだいって、一人娘の頼みだとオヤジさんも弱いのかな」


「そうかもね…」


いまだに私がバレエで生計を立てていくことに対して反対している両親にお金がないと泣きつくのは私のプライドが許さなかった。


たぶん『ほらみろ』的に、できないことはするなと、言われてしまう。


バレエを続けていくことができなくなるのは、一番つらい。



「ま、俺もこれで晴れて、バレエ一筋になれるし。家賃はいいってカズさん言ってくれたから、バレエの給料だけで、生活と仕送りもできる。今度の公演で、いいところみせられるように、マジで頑張るわ」



「うん、私も!」


2か月半後の公演に向けて、決意を新たにした。

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