あなたと二人で恋の授業
携帯電話
その後、私と先生はお会計を済まし、来たときと同じように自転車にのり、来た道を戻った。
「なぁ紗和〜。お前、家でどんな勉強してる?」
ふと横を見ると先生が空を見つめて私に聞いてきた。
「んまぁ紗和は勉強しないだろうなぁ…」
隣で勝手に話を進めて、最終的に私のなかの事実にたどり着いてしまった先生。
エスパーだ。
「紗和、携帯出せ」
そう言ってもらった先生の携帯の電話番号と、アドレス。
なぜだか少し嬉しかった。
「あ、ありがと。」
こんな会話を交わしただけで、私たちの別れ場所へとたどり着く。