レクイエム<鎮魂歌>
「いけないわね。話が反れてしまったわ。」
私も忘れていた。
「それじゃあ、母様の故郷に私は至急、避難すればいいのね。」
早口でまくし立てる私に母も同意をしめす。
「フィオーラがついて行くって言ってたからあの子に地図は、もう渡してあるからね。」
「え?、兄様も行くの?」
「ええ。モニカだけで行かすと侍女や従者なんな付けないで行っちゃうでしょ?だからお母様もフィオーラの意見に賛成よ。侍女や護衛の者はあの子が信頼のある者をしっかり選んでくれたから大丈夫よ。」
そう言って笑う母に私は言った。
「お兄様は今お忙しい時期と聞きました。とてもそのようなこと頼めません。」
兄は実力もあるので第一王子の側近をしている。
王子には会ったことないが、その王子に実力を認められ、信頼されるほどだとも聞く。
そんな、日々多忙な兄を自分のわがままに付き合わす訳にはいかなかった。
そう。
わがままなのだ。
求婚を申し込んでくるフケート王子は仮にも隣国の王子、世継ぎなのだ。