レクイエム<鎮魂歌>
「あった!」
部屋に戻ってドレッサー所に置いてある宝石箱を開け、中に入ってあった小振りなアメジストが先に付いただけのシンプルなネックレスを手に取った。
このネックレスは装飾品にほとんど興味のない私の、唯一のお気に入りだ。
普段は毎日と言っていいほど身につけている。
だが、今日はもう部屋着に着替えようと思っていたので、外して置いていたのだ。
その後、着替えようかと思った頃に母から呼びだされたという訳だ。
ネックレスを手に取ったモニカは早々に部屋を後にし、玄関に向かった。