レクイエム<鎮魂歌>
ひょうひょうとビジィーラは自らの主人にそう言ってのける。
「にしても、驚きましたよ。噂は本当だったんですね。」
馬が走って行った方向を見て彼はそう言った。
「なんのことだ。」
「いやですね。惚けても無駄ですよ。噂はかなり広まっていますからね。モニカ様には不思議な力があり、いろんなモノに愛されている、と。」
だがフィオーラは安心した。
このくらいの噂はどうにかなる。
だが、アレがばれてしまったらやばいのだ。
まだ誰も知らないようだ。
「モニカにそんな不思議なものはない。ただ、馬には懐かれているようだが。」
「そうなんですか。ですが、凄いですね。馬に好かれるなんて。」
「まあな、それより。俺はこのままアイツらをこのまま迎え撃つ。お前はどうする?」
「愚問ですよ。私もご一緒します。」
「わかった。」
そして彼等は来るべき者が来るまで待ち続けた。