レクイエム<鎮魂歌>
「貴女に今からお願いがあるの。今から私の故郷に行ってほしいの。」
「今から?それより、母様の故郷はどこなんですか?」
「そう、今からよ。夕食は手頃に食べられるような物を馬車に積んであるわ。荷物も。その馬車でベルシアに行行ってちょうだい。」
もう、荷物が積まれていると聞いて驚いたが聞いたことのない名前が出てきて、首をひねった。
「ベルシア?」
「やっぱり聞いたことないかしら?」
そう言われ首を縦に振る。
「そう、ベルシアは一般には知られていない土地なの。隠された土地とも言うわ。」
「隠された土地?」
「ええ、そうよ。この国に昔魔物達から人々を守った八神将と呼ばれる人達の存在は知っているわね?」
「八神将って本によく出て来るわよね。確か色々な神器を持って立ち向かった勇敢な人達でしょ?」
「そうよ。その神器を隠したとされる場所が隠された土地よ。ベルシアのような世に知らされていない土地はベルシアも足して8つ。土地のことは各国の王族のごくわずかの人しか知らないわ。」